2024 年 10 巻 1 号 p. 29-34
要旨:〔目的〕寝返り動作は床上での移動手段として最も早期に獲得され,生涯に亘って有用な移動手段である。また,寝返り動作に含まれる要素は,その後に続く基本動作と深く関係している。地域在住健常女性成人および保育園年長児を対象とした研究で,寝返り動作と運動機能の間に有意な相関が認められている.そこで,地域在住健常成人男性においても同様に,寝返りの所要時間と運動機能の関連が認められるのか否かを検討することを目的として研究を行った。〔対象〕地域在住健常成人男性23名とした。〔方法〕寝返りの所要時間,30秒椅子立ち上がりテスト(30-second chair stand test:CS-30),Timed “Up&Go” test(TUG),最大歩行速度,握力,片脚立ち(開眼,閉眼)を計測し,寝返りの所要時間と各運動機能の関連を検討した。〔結果〕寝返りの所要時間と運動機能(CS-30,TUG,最大歩行速度,握力)の間に有意な相関が認められた。〔結論〕地域在住健常成人男性においても寝返り動作と運動機能に関連が認められ,寝返りを速く行える者ほど歩行能力やバランス能力が高い可能性が示唆された。