2025 年 11 巻 1 号 p. 47-53
〔目的〕独居高齢者と同居者がいる高齢者を多面的に比較し,独居の影響を検討した。〔対象〕地域在住高齢者191名[年齢75歳(71〜80歳)]である。〔方法〕基本情報に加えて,体組成,身体機能[握力,上体起こし,長座体前屈,開眼片足立ち,30秒椅子立ち上がりテスト(30CST),歩行速度,TUG など],認知機能,フレイル,食品摂取の多様性(DVS),身体活動量を測定した。性別ごとに独居群と同居あり群をMann-Whitney 検定で比較した。〔結果〕独居群と同居あり群を比較した結果男性では,長座体前屈,30CST,TUG,社会的フレイル,DVS に,女性では社会的フレイル,身体活動量に有意差があった。〔結論〕独居高齢者は健康リスクが高く,栄養状態や身体活動における性差が明らかになった。独居高齢者へのアプローチは,性別や生活環境を考慮する必要がある。