理学療法さが
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原著
  • 吉田 禄彦, 釜﨑 大志郎, 八谷 瑞紀, 大川 裕行, 藤原 和彦, 保坂 公大, 末永 拓也, 藤村 諭史, 井手 翔太郎, 吉瀬 陽, ...
    原稿種別: 原著
    2025 年11 巻1 号 p. 1-8
    発行日: 2025/03/21
    公開日: 2025/10/18
    ジャーナル フリー

    〔目的〕抑うつ状態と社会的フレイルの関係を検討することとした。〔対象〕地域在住高齢者79名(平均75± 6歳)であった。〔方法〕本研究は横断研究である。抑うつ状態は,基本チェックリストのNo. 21〜25で評価した。社会的フレイルはMakizako-5で評価した。統計処理は,抑うつ状態とMakizako-5の関係を一般線形モデルで検討した。さらに,抑うつ状態の有無別にMakizako-5の下位項目をFisher の正確確率検定で比較した。〔結果〕抑うつ状態にはMakizako-5が関係することが明らかになった(標準化偏回帰係数:0.40,p <.001)。抑うつ状態の有無別にMakizako-5の下位項目を比較した結果,「誰かと毎日会話をしている」,「友人の家を訪ねている」に有意差が認められた。〔結論〕抑うつ状態の予防には,他者との会話や友人宅への訪問が必要な可能性が示唆された。

  • 〜急性期入院時から回復期退院時までの後ろ向き研究〜
    宮井 康太, 田中 勝人, 田中 健太, 巨瀬 拓也, 髙橋 雅幸, 今村 一郎, 釜﨑 大志郎, 大田尾 浩
    原稿種別: 原著
    2025 年11 巻1 号 p. 9-15
    発行日: 2025/03/21
    公開日: 2025/10/18
    ジャーナル フリー

    〔目的〕脳卒中片麻痺患者を対象に,急性期入院時の機能的自立度評価表の運動項目(functional independence measure -motor:FIM-M)と回復期退院時のFIM-M の改善の程度を検討した。〔対象〕脳卒中片麻痺患者40名[80(71-86)歳]であった。〔方法〕本研究は後ろ向き研究である。FIM-M は,急性期入院時および回復期退院時に評価した。統計解析は,急性期入院時のFIM-M と回復期退院時のFIM-M をウィルコクソン符号付順位検定で比較した。差の程度は効果量(effect size:ES)で示した。〔結果〕分析の結果,食事(ES=0.20),排尿(ES=0.08),排便(ES=0.18)のES は中等度未満であった。一方,その他の項目は中等度以上のES が認められた。〔結論〕脳卒中片麻痺患者の食事,排尿,排便は改善しづらい傾向が示された。

  • 藤村 諭史, 釜﨑 大志郎, 吉原 正英, 末永 拓也, 吉瀬 陽, 上原 博斗, 増田 あかね, 松延 勇志, 松尾 健司, 馬場 海斗, ...
    原稿種別: 原著
    2025 年11 巻1 号 p. 17-23
    発行日: 2025/03/21
    公開日: 2025/10/18
    ジャーナル フリー

    〔目的〕サッカーのシュート速度に関係する要因を検討した。〔対象〕男子高校サッカー選手62名(16± 1歳)とした。〔方法〕シュート速度は,ペナルティーキックの位置からボールを蹴らせ,スピードガンで測定した。統計解析では,シュート速度を従属変数,除脂肪量指数(fat free mass index:FFMI),体脂肪率,立ち幅跳び,膝伸展筋力,踵殿間距離,改定版スターエクスカージョンバランステストを独立変数とした重回帰分析を行った。また,年齢,ポジション,競技歴から傾向スコアを算出し交絡を調節した。〔結果〕FFMI がシュート速度 に関係することが明らかになった(標準化係数b =0.48,p=0.003)。〔結論〕男子高校サッカー選手のFFMI は,シュート速度に関係する要因であった。FFMI の増加がシュート速度の向上に寄与する可能性がある。

  • 末永 拓也, 宮副 孝茂, 松本 雄次, 松永 成美, 松野 敏規, 釜﨑 大志郎, 大田尾 浩
    原稿種別: 原著
    2025 年11 巻1 号 p. 25-32
    発行日: 2025/03/21
    公開日: 2025/10/18
    ジャーナル フリー

    〔目的〕地域包括ケア病棟の入院患者における入院関連機能障害(HAD)の特徴を明らかにする。〔対象〕対象は地域包括ケア病棟患者134名(年齢中央値86歳,女性61.2%)とした。〔方法〕Barthel Index の退院時得点が入院時から5点以上低下した者をHAD群,維持または向上した者を非HAD群とした。両群間で年齢,体重,BMI,改訂長谷川式認知症スケール(HDS-R),下腿周径,セミタンデム立位,タンデム立位を比較した。統計解析には対応のないt 検定およびMann-Whitney U 検定を用いた。〔結果〕HAD群は非HAD群に比べて高齢で,体重やBMI が低かった。また,認知機能(HDS-R)や下腿周径,立位バランス能力(セミタンデム立位・タンデム立位の保持時間)が低かった。〔結論〕高齢で痩せており,認知機能や立位バランスが低い患者は,HADを呈するリスクが高いことが明らかになった。

短報
  • ―介護認定高齢者を対象としたパイロットスタディ―
    釜﨑 大志郎, 落石 広平, 熊丸 弘展, 末永 拓也, 水口 寛彦, 大田尾 浩
    原稿種別: 短報
    2025 年11 巻1 号 p. 33-38
    発行日: 2025/03/21
    公開日: 2025/10/18
    ジャーナル フリー

    〔目的〕足指のタッピングテストを実施し,得られた結果を転倒歴の有無で比較することとした。〔対象〕介護認定高齢者のうち転倒歴なし群6 名[79(69-89)歳],転倒歴あり群6 名[86(72-97)歳]とした。〔方法〕本研究は横断研究である。足指タッピングテストは指タッピング装置で測定した。10秒間でできるだけ素早く,利き足の足指を上下運動するよう指示した。足指のタッピング回数,足指の総移動距離,タップインターバル標準偏差,距離の最大振幅,距離の極大点の平均を解析に用いた。統計解析は,転倒歴の有無別に得られた値をMann-Whitney U 検定で比較した。〔結果〕転倒歴のない者は,転倒歴のある者よりも足指のタッピング回数が多く(p=0.039),総移動距離も長かった(p=0.026)。〔結論〕介護認定高齢者の転倒予防には,足指を素早く動かせる能力も必要であることが示唆された。

実践報告
  • 塩﨑 恭大, 立石 翼, 八谷 瑞紀, 大川 裕行, 釜﨑 大志郎, 藤原 和彦, 溝上 泰弘, 鎌田 實, 大田尾 浩
    2025 年11 巻1 号 p. 39-45
    発行日: 2025/03/21
    公開日: 2025/10/18
    ジャーナル フリー

    〔目的〕過去の運動習慣が高齢期の心身機能に及ぼす影響を検討した。〔対象〕地域在住高齢者69名[平均年齢74.0歳(70.0〜80.0歳)]とした。〔方法〕基本情報に加えて,体組成,身体機能(握力,上体起こし,開眼片足立ち,30秒椅子立ち上がりテスト,歩行速度など),認知機能,フレイル,活動能力,栄養状態,身体活動量を測定し,過去の運動習慣を調査した。運動習慣の有無で測定項目を比較した。〔結果〕若年期に運動習慣があった者は高齢期でも身体活動が高く,中年期に運動習慣があった者は高齢期でも身体機能や食欲が高く,フレイルリスクが低いことが示された。高齢期のいま運動習慣がある者は食欲が高くフレイルのリスクが低かった。また,年齢にかかわらず運動習慣は健康に有益でありその必要性が確認された。〔結論〕若年期から定期的な運動習慣の獲得が推奨されるが,どの年齢から始めても運動は高齢期の健康に有益であることが示唆された。

  • 〜性別による健康リスクの違い〜
    古賀 嶺也, 戸川 輝一, 髙栁 志, 八谷 瑞紀, 大川 裕行, 釜﨑 大志郎, 藤原 和彦, 溝上 泰弘, 鎌田 實, 大田尾 浩
    2025 年11 巻1 号 p. 47-53
    発行日: 2025/03/21
    公開日: 2025/10/18
    ジャーナル フリー

    〔目的〕独居高齢者と同居者がいる高齢者を多面的に比較し,独居の影響を検討した。〔対象〕地域在住高齢者191名[年齢75歳(71〜80歳)]である。〔方法〕基本情報に加えて,体組成,身体機能[握力,上体起こし,長座体前屈,開眼片足立ち,30秒椅子立ち上がりテスト(30CST),歩行速度,TUG など],認知機能,フレイル,食品摂取の多様性(DVS),身体活動量を測定した。性別ごとに独居群と同居あり群をMann-Whitney 検定で比較した。〔結果〕独居群と同居あり群を比較した結果男性では,長座体前屈,30CST,TUG,社会的フレイル,DVS に,女性では社会的フレイル,身体活動量に有意差があった。〔結論〕独居高齢者は健康リスクが高く,栄養状態や身体活動における性差が明らかになった。独居高齢者へのアプローチは,性別や生活環境を考慮する必要がある。

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