2018 年 4 巻 1 号 p. 7-11
【目的】骨や筋肉ならびに周辺組織を評価する方法として,超音波画像法を用いた評価が普及してきている。本研究では,幼児を対象として超音波画像法を用いた大腿四頭筋筋厚が筋の量的評価として活用出来るか,可能性を探るため大腿四頭筋筋厚と下肢筋力および大腿周径との関連を検討することとした。【対象】健常年長児67名とした。【方法】身長と体重を計測後,下肢筋力として大腿四頭筋筋力,足把持力を測定した。それに大腿周径を加えた5 項目と大腿四頭筋筋厚とを調査した。統計解析は,大腿四頭筋筋厚と各測定値の関係を,ピアソンの相関係数を用いて検討した。さらに,大腿四頭筋筋厚を従属変数,有意な相関が認められた項目を独立変数として,重回帰分析を用いて分析した。【結果】単相関分析の結果,大腿四頭筋筋厚は,大腿四頭筋筋力と大腿周径と相関が認められた。一方,大腿四頭筋筋厚とその他の項目は有意な相関は認められなかった。重回帰分析を行った結果,大腿四頭筋筋厚に独立して関与する要因として大腿四頭筋筋力と大腿周径が抽出された。【結語】大腿四頭筋筋厚に大腿四頭筋筋力が独立して関与するパラメータ―として抽出されたことにより,幼児においても超音波画像法による大腿四頭筋筋厚評価が活用出来る可能性が示された。