2019 年 5 巻 1 号 p. 31-36
【目的】地域で自立して生活する元気な高齢者を対象にロコモティブシンドロームテストを実施し,早期にロコモティブシンドロームに該当する高齢者を見つけ,該当した高齢者がどのような身体機能に加え,認知機能の特徴を有するのかを検討した。【対象】体力測定会への参加に自主的に応じた地域在住高齢者29名とした。【方法】個人の属性に関する情報の収集とロコモティブシンドロームテストを実施した後,身体機能評価(開眼片足立ち・TUG,握力,大腿四頭筋筋力・長座体前屈距離)と認知機能評価(MMSE・TMT-A)を実施した。ロコモ群と非ロコモ群の 2 群に分類し,それぞれの身体機能,認知機能の各変数を対応のない t 検定で比較した。【結果】分析対象とした29名のうちロコモ群21名,非ロコモ群 8 名となった。身体機能では,大腿四頭筋体重比,開眼片足立ちならびに TUG に有意な差が認められた。また,認知機能を比較すると,TMT-A において有意差が認められた。【結語】地域で自立した生活を営んでいる高齢者においても,ロコモティブシンドローム該当者が多く認められた。ロコモティブシンドローム該当者は注意機能を必要とする評価項目において機能低下傾向が認められ,運動機能に加えて認知予防事業などにおいて注意機能についても継続的に経過を追う必要が示された。