2019 年 5 巻 1 号 p. 9-14
本研究は,健常女性高齢者74人を対象に,50m ラウンド歩行テストに影響を及ぼす因子を明らかにすることを目的とした。方法は,上下肢筋力,30秒椅子立ち上がりテスト(CS-30),Functional reach test(FRT),片足立ちテストと50m ラウンド歩行テストとの関連を重回帰分析により分析した。50m ラウンド歩行テストと有意な相関を認めたのは,相関係数が高い順に CS-30(r=−0.54),片足立ちテスト(r=−0.42),FRT(r=−0.24),大腿四頭筋筋力(r=−0.23)であった。握力とは有意な関連が認められなかった。Stepwise 法による結果より,50m ラウンド歩行テストに影響を及ぼす因子として抽出された身体機能は,CS-30(b=−0.44)と片足立ちテスト(b=−0.24)であった。これらのことから,健常女性高齢者の中距離歩行能力には,下肢筋力や静的バランスが重要であることが明らかとなった。