2020 年 6 巻 1 号 p. 41-45
[目的]一般性セルフ・エフィカシー尺度(GSES)を用いて,セルフ・エフィカシーと運動能力認識誤差との関係を検討した。[対象と方法]地域在住成人40名(男性17名,女性23名)を対象として GSES を実施した後,立ち幅跳びおよび 2ステップテストの予測値と実測値を測定し,予測値と実測値との差を運動能力誤差とした。立ち幅跳びでは誤差を過小評価群,適切群,過大評価群の3 群に分類し,2 ステップテストでは誤差大群と誤差小群に分類して,GSES 得点の差を検討した。[結果]立ち幅跳びでは,過小評価群と過大評価群(p<0.01),適切群と過大評価群(p<0.05)の間に有意差が認められた。2 ステップテストでは,誤差大群と誤差小群との間に有意差(p<0.05)が認められた。[結語]運動課題の違いにより,運動能力認識誤差が異なる傾向になる可能性が示唆されたため,セルフ・エフィカシーと運動能力認識誤差との関係では運動課題を考慮する必要がある。