2021 年 7 巻 1 号 p. 1-5
[目的]歩行能力の評価法の 1つである最大努力下での 8の字歩行テスト(figureof-8walk max : F8Wmax)と各身体機能の関係を分析した。[対象と方法]歩行が可能な入院患者52名を対象とした。測定項目は,F8Wmax,入院前の life-space assessment(LSA),転倒スコア(fall risk index),虚弱高齢者用10秒椅子立ち上がりテスト(frail chair stand-10 :FCS-10),開眼片足立ち,functional reach test(FRT)とした。F8Wmax と各身体機能との関係を重回帰分析で検討した。[結果]F8Wmax に影響を及ぼす要因は FCS-10と FRT であった(R2=0.673)。算出された重回帰式から,F8Wmax が 1 秒改善するには FCS-10を 2回向上させる必要があることが示された。[結語]F8Wmax は FCS-10と関係が強く,FRT と弱い関係を認めた。