2022 年 8 巻 1 号 p. 17-24
[目的]足関節の底屈・背屈筋力の測定値の検者内信頼性と身体機能および認知機能との基準関連妥当性を検討した。[対象]対象は,デイケアを利用する要介護高齢者75名(平均年齢82± 8 歳)であった。[方法]足関節底屈・背屈筋力に加えて身体機能,認知機能の評価を行った。足関節底屈・背屈筋力の検者内信頼性は,級内相関係数により検討した。身体機能および認知機能との基準関連妥当性は,相関分析で中等度以上(ρ≧0.4)の関連がある項目により検討した。[結果]足関節底屈・背屈筋力の級内相関係数は0.78〜0.98であった。足関節底屈・背屈筋力は,握力および膝伸展筋力との間に中等度以上の関連を認めた。[結語]要介護高齢者の足関節底屈・背屈筋力の測定値の検者内信頼性は,十分に高く,握力や膝伸展筋力との基準関連妥当性を有し,筋力の客観的評価に有用であることが明らかとなった。