2022 年 8 巻 1 号 p. 57-64
[目的]COPD 患者の nagasaki university respiratory ADL questionnaire(NRADL)に関係する因子を検討した。[対象]外来 COPD 患者60名とした。[方法]測定項目は,基本情報に加えて NRADL,呼吸機能,呼吸筋力,quality of life(QOL)評価,身体機能,栄養状態,生活範囲,不安と抑うつとした。重回帰分析で従属変数 NRADL に関係する因子を分析した。独立変数は body mass index(BMI),%努力性肺活量,握力体重比,膝伸展筋力体重比,shuttle walking test(SWT),mini nutritional assessment(MNA)とした。[結果]NRADL には,%努力性肺活量と SWT が関係することが明らかになった。[結論]COPD患者の ADL 能力改善には,%努力性肺活量低下による呼吸困難感を招かないために,呼吸法の指導と獲得が重要であることが追認された。また,運動耐容能の向上が必要である可能性が示された。