2022 年 8 巻 1 号 p. 65-71
[目的]発症後 2 週時の日常生活活動(ADL)能力に影響する因子を検討した。[対象]対象は,急性期脳卒中患者49名(平均年齢76±10歳)とした。[方法]初期評価は,アルブミン,血清総蛋白,握力,下肢荷重力,体幹機能評価(TCT),stroke impairment assessment set の麻痺側運動機能(SIAS-M),ミニメンタルステート検査(MMSE)を発症後 1 週間以内に評価した。ADL 能力は,発症後 2 週時に機能的自立度評価法(FIM)で評価した。統計解析は,FIM の運動項目および認知項目を従属変数,各測定項目を独立変数とした重回帰分析を実施した。[結果]FIM の運動項目に影響する因子は TCT,認知項目に影響する因子はMMSE であった。[結語]急性期脳卒中患者の TCT と MMSE は,発症後 2 週時の ADL 能力に影響することが明らかとなった。