2019 年 13 巻 1 号 p. 17-26
本研究はユニット型特養の認知症高齢者の生活の質(QOL)と施設環境の関連の検討を目的とした.対象は都内のユニット型特養1施設,全4ユニット,17名である.認知症高齢者のQOL指標を従属変数,認知症の病状ステージ(FAST)および環境尺度(PEAP)を独立変数,年齢・性別を共変量として共分散分析を行った結果,QOL指数であるME値はFAST・PEAPの交互作用が有意に関連し(p=.003),認知症の病状が進むほど,より良い環境がQOL向上に影響していた.海外の先行研究同様,認知症が進むと,QOL向上の快適さは施設環境から求める傾向にあるという結果が認められた.今後は異なる施設において同様の調査を行い,比較検討することで入所者に対して効果的な要因を提供することができ,施設入所する高齢者に対しての基礎的資料となり得るものと期待している.