応用老年学
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原著論文
老人クラブの持続的運営に関する研究-K会の15年の経験を通して
土井原 奈津江小熊 祐子
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2025 年 19 巻 1 号 p. 40-60

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抄録

 本研究は,2015年を転換点として2023年までに会員数を2倍に増加させ,活性化と持続的運営を実現した神奈川県藤沢市の老人クラブ「K会」を対象に,2009年から2023年までの運営を分析し,持続的運営の課題と方策を明らかにすることを目的とした.調査は,会員へのインタビュー,ドキュメント整理,参与観察を通じて実施し,定性データを再帰的テーマティック分析,定量データを記述統計の手法で分析した.持続的運営の方策として,(1)適応型リーダーシップ,(2)次世代につなぐ運営,(3)適応型組織運営,(4)地域共創共感プラットフォームの4つが挙げられる.これらはそれぞれ独立した視点を持ちながらも相互に密接に関連し,組織全体の活性化と持続可能性に寄与している.また,これらの方策は,老人クラブの持続的運営を可能にすると同時に,高齢者の社会参加や地域の活性化にも大きく貢献する.

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© 2025 一般社団法人 日本応用老年学会
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