2010 年 4 巻 1 号 p. 40-50
本研究では過去の居住経験に着目し、子どもの頃の居住経験の有無により社会参加率に差があるのか、また居住経験と社会参加がコミュニティ感覚に関連があるのかを検討することを目的した。
練馬区と岡山市の50歳~69歳の男女に二段階無作為抽出法により郵送留置き調査を2008年に実施した (回収率 58.9%)。
過去の居住経験の有無と社会参加については子どもの頃の居住があった場合に最も社会参加率が高かった。
コミュニティ感覚の3つの下位因子を従属変数とした重回帰分析の結果、「地域への愛着」では子どもの頃の居住と社会参加が、「価値の共有」では「社会参加」が、「近隣との関わり」では通勤経験と子どもの頃の居住と結婚を契機とした居住、社会参加がコミュニティ感覚と正に関連していた。
過去に居住経験の無い地域では社会活動に参加しにくいが、社会参加をすれば、コミュニティ感覚が高まり地域社会に溶け込む一助となることが示唆された。