2025 年 73 巻 7 号 p. 225-227
現在も運用が続けられているF-2戦闘機の主翼構造に用いられた複合材料コキュア一体成形技術は,防衛庁技術研究本部(当時)による主翼一次構造への複合材適用の研究において,いわゆる「三研翼(主翼桁間構造)」として1987年に試作評価された後,実機の主翼構造に世界で初めて適用された技術である.F-2戦闘機は,主翼・尾翼を中心に複合材を機体構造重量の約18%に適用し,約250 kgの軽量化に成功すると共に,コキュア一体成形による部品点数及び組立工数の削減による低コスト化に貢献.その後,米国に技術移転された点は特筆に値する.さらに,F-2戦闘機で培われた複合材コキュア一体成形主翼構造の開発経験は,Boeing787複合材の主翼・中央翼・胴体構造の製造分担獲得にも寄与している点が評価され,この度,航空宇宙技術遺産第二号に認定された.