目的 : 本研究は、高齢領域における音楽療法士の精神的自立性と他専門職との連携の関連性を明らかにすることにより、音楽療法士と他専門職との連携に有益な資料を得ることを目的とした。
方法 : 対象者は、日本音楽療法学会認定音楽療法士 (以下音楽療法士) 138人とした。分析対象者は、自記式調査票による郵送法調査で有効回答を得られた92人の内、高齢領域で実践している72人である。調査内容は、精神的自立性、他職種との連携については、「連携効果期待」、「他専門職知識」、「情報交換」、「情報取得」、「連携得点」、基本属性である。
結果 : 「精神的自立性」と「他専門職知識」の間に正の相関がみとめられた(r = .374 p < .01)。「連携効果期待」と「他専門職知識」・「連携得点」の間にそれぞれ正の相関が認められた (r=.334 p<.01)・(r=.395 p<.01)。
性、年齢、実践時間、勤務形態を制御した偏相関では、精神的自立性と専門職知識のあいだで有意な関連が認められた。(r = .452 p < .001)。
結語 : 精神的自立性、特に目的指向性の高い音楽療法士は、他専門職の知識を多く持っていることが示された。音楽療法上が専門職としての目的意識を高め、他専門職の知識を多く得ることにより他専門職との連携を容易にする。このことは、今後の音楽療法の普及促進の一助となると考える。
抄録全体を表示