Sago Palm
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Print ISSN : 1347-3972
研究・調査報告
エステル化したサゴヤシデンプン抽出残渣から調製したプラスチックシートの分解性
佐々木 靖近江 正陽冨永 洋司福田 清春
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2002 年 10 巻 1 号 p. 1-6

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抄録
 本報ではサゴヤシデンプン抽出残渣から調製したプラスチックシートの生分解性を検討するため,土壌環境中での分解性,培養した生菌による分解性,各種溶媒に対する耐性を評価した.
 前報のエステル化反応条件で効率の良かった条件(140℃・4時間,160℃・2時間)でサゴヤシデンプン抽出残渣を工ステル化し,グリセロールを混合(0,10,15,20wt%)してプラスチックシートを調製した.このシートを土壌環境に60日間曝露して試験した結果,プラスチックシートの弾性率低下・重量減少が確認された.同様に調製したプラスチックシートをカワラタケを培養した培地に60日間静置して生菌分解試験を行った結果,試料はエステル化条件やグリセロールの添加量に関わらず顕著に分解された.各種薬品による耐溶解性試験の結果,プラスチックシートは酸やアルカリに対する耐性は低いことが明らかになった.極性溶媒と無極性溶媒に対する耐溶解性を比較すると,無極性溶媒に対する耐溶解性の方が高く,さらに極性溶媒の酎溶解性はグリセロールの添加により減少することが明らかになった.
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© 2002 サゴヤシ学会
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