抄録
パプアニューギニア,ガルフ州,マララウア地区内のサゴ利用地帯の3つの村落,Keke/Tapala,Heatoare,Savaiviriで,51世帯からサゴヤシの生産状況についての調査を行った.3つの村落は社会文化的にMoveave-Toaripis地域と呼ばれるが,ここではサゴヤシは主要な食糧として人々と深い結びつきを保っており,人間と植物資源・文化との関係において重要な役割を果たし続けている.伝統的な手法によると.1本のサゴヤシの幹から自家消費用と換金用に約11.33袋のサゴ澱粉がとれることがわかった.換金用にはマララウア地区の中心地や首都のポートモレスビーのマーケットで売られる.換金用と自家消費用の割合は約7.25対2.75であり,このサゴ利用地帯では,総生産最の約72.5パーセントがマーケットで売却され.約27.5パーセントが自家消費されることがわかった.これにより,サゴを売却することによって得られる現金収入が推定できることがわかった.