Sago Palm
Online ISSN : 2758-3074
Print ISSN : 1347-3972
特別報告
サゴ澱粉の物性と調理特性
高橋 節子平尾 和子貝沼 圭二
著者情報
ジャーナル フリー

1995 年 3 巻 2 号 p. 72-82

詳細
抄録

 熱帯地域の人々の主食として用いられてきたサゴ澱粉の利用特性について,理化学的ならびに調理科学的に検討した.顕微鏡観察,粘度および膨潤力・溶解度の測定とともに,アミロース含批およびアミロペクチンの鎖長分布はゲル濾過法により求めた.澱粉の加熱糊化過程および保存中の糊化・老化特性はβ—アミラーゼ・プルラナーゼ法によった.澱粉ゲルのレオロジー的性質およびテクスチャーは,クリープメーター,テンシプレッサーを用いて測定した.
 調理・加工特性については,食文化的面からハルサメ,ブラマンジェ,くず桜,わらびもち,胡麻豆腐などを調製しサゴ澱粉の利用性を検討した.また,膨化調理についてはマフィンおよびパンをとりあげ,小麦粉の代替としてのサゴ澱粉の利用効果について明らかにした.これらの結果から,サゴ澱粉は理化学的性質からも調理科学的性質からもすぐれた特性をもつことが明らかとなり,純度の高いサゴ澱粉が入手可能ならば,調理・加工面に広く利用できると考えられた.

著者関連情報
© 1995 サゴヤシ学会
前の記事 次の記事
feedback
Top