箱庭療法学研究
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研究報告
乳幼児のコラージュ表現の特徴
―― 印象評定を用いた集計的研究――
西村 喜文大徳 朋子立川 小雪
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2011 年 24 巻 1 号 p. 1_35-1_49

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抄録
本研究では,乳幼児(1 歳~6 歳) 375 名のコラージュ表現の特徴を印象面から分析し考察した。その結果,(1) 4 歳児5 歳児以降,安定性,表出性の高い作品を作り6 歳児で低下した。(2) 安定性は4 歳児5 歳児,表出性は3 歳児5 歳児の女児に高い印象が見られ,創造性に関しては,4 歳児5 歳児の男児に高い印象が得られた。(3) 4 歳児以降,まとまった,美しい,未来的,遠景的,意味のある作品を作る傾向が見られ,3 歳児からは外向的作品を作る年齢的特徴が見られた。(4) 女児の方がまとまった,美しい作品を作り,4 歳児5 歳児の男児に動物的表現が多く見られた。以上のことより,乳幼児のコラージュ表現から,発達的特徴と性差が明らかになり,乳幼児を理解する上でコラージュ表現はアセスメントとして有効であることが示唆された。
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© 2011 日本箱庭療法学会
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