2026 年 39 巻 1 号 p. 27-38
本稿では,MSSM法の物語作成をクライエントとセラピストが交互に行う「MSSM交互物語法」の治療的意義について,場面緘黙で不登校の女子中学生の事例に基づいて検討した。スクリブルによって生み出されたイメージの世界をベースとした交互物語作成は,侵襲性がなく,書き言葉による具体性と即時性を持ったやりとりを可能にした。このやりとりにおいて,クライエントがセラピストから確実に反応してもらえる感覚を体験でき,しかも自由に自分らしさを表現できたことが治療的に働いたと考えられる。