2000 年 42 巻 4 号 p. 125-129
げっ歯類を用いた毒性試験から得られる定量値に対する新決定樹による統計処理の提案:小林克己ほか.財団法人 食品農医薬品安全性評価センター-毒性試験から得られる定量値は, 経時的に膨大な量となっている.これらのデータの中には, 時々分布が異なった群や標本数が異なった群が存在する.これらの定量値に対して速やかに対照群と用量群との差を吟味するために決定樹による手法が長期にかつ一般的に使用されてきた.しかし, 本論文ではこの決定樹が持ついくつかの弊害を取り除いた検出力の高い新決定樹を提唱する.すなわち, Bartlettの等分散検定は5%水準を堅持し, 分散が一様性(等分散)を示す場合は, 分散分析を実施せずDunnettの多重比較検定を, もし不等分散の場合は多重性を考慮し群間差の検出力の高いNonparametricのSteelの検定を採用する.