2002 年 44 巻 3 号 p. 106-113
個人曝露状態を評価するためには,8時間時間荷重平均濃度を測定し,許容濃度と比較する必要がある.しかし,外部の測定機関が出かけて測定する場合,往復の時間を考慮すれば,8時間のサンプリングを行なうのは困難である.作業環境測定の場合,1つの単位作業場所でのサンプリングは1時間でよく,1日に数カ所の単位作業場所を測定することが可能となっている.個人曝露濃度も1時間測定値を使って評価することができれば,より効率的な測定が可能になるし,また,作業環境測定を実施している時間帯に同時に測定を完了することができるようになる.このような観点から,1時間以上のサンプリングによる測定値に対する評価法を提案した.