産業衛生学雑誌
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調査報告
首都圏在住の男性勤労者における歩数とBody Mass Indexの関係
縄田 敬子石田 裕美山下 直子上西 一弘
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2006 年 48 巻 5 号 p. 176-182

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抄録

首都圏在住の男性勤労者における歩数とBody Mass Indexの関係:縄田敬子ほか.女子栄養大学給食・栄養管理研究室―本研究では首都圏在住の男性勤労者の歩数とbody mass index(BMI)との関係を検討することを目的とした.対象者は310名(30~59歳)である.連続7日間の歩数および生活時間調査を行なった.歩数は歩数計を用いて測定した.また,生活時間調査の結果からエネルギー消費量を推定した.食物摂取頻度調査によりエネルギー摂取量を求めた.身長,体重は自記式の質問紙により調査した.BMI25以上の者は81名(26.1%)であった.出勤時の歩数は平均10,682±4,365歩,休日の歩数は7,135±4,536歩であった.エネルギー消費量は2,259±378 kcal,身体活動レベル(physical activity level:PAL)は1.5±0.1であった.エネルギー摂取量は1,974±488 kcalであった.出勤日,休日の歩数はPALと有意な正の相関関係を示した(出勤日r=0.301,休日r=0.296,いずれもp<0.001.)また,出勤日の歩数はBMIと有意な負の相関関係を示した(r=-0.188,p<0.01).出勤日の歩数とエネルギー摂取量の中央値を用いて対象者をI群(9,894歩以上,1,901 kcal未満),II群(9,894歩以上,1,901 kcal以上),III群(9,894歩未満,1,901 kcal未満),IV群(9,894歩未満,1,901 kcal以上)に分類した.IV群の平均BMIは24.7で,他の3群よりも有意に高値を示した.III群は生活習慣病の者の割合が最も多かった.
(産衛誌2006; 48: 176-182)

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