山陽論叢
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特別支援学校における知的障がい児への性に関する教育の現状と問題点
北村(難波) 亜希子
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2023 年 29 巻 p. 107-121

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抄録

【目的】特別支援学校で知的障がい児の性教育に対する教諭と養護教諭の困難感を 明らかにする。 【方法】2019 年 6~9 月、192 校の校長へ調査依頼し、協力意思を示した 102 校の教諭 と養護教諭に無記名自記式質問紙調査を行った。 【結果】協力が得られ欠損値のない 46 名(45.1%)は平均年齢 43.6 歳、平均教育歴 18.8 年、特別支援学校の平均教育歴 11.2 年。支援状況は軽度 24 施設、中度 11 施設、重度 11 施 設。1)46 名が困難を感じつつ性教育を実施し、44 名は研修の受講を希望していた。2)児 の言動に困惑する(した)と回答した教諭と養護教諭は 38 名、「人前で自分の性器に触る」 14 名、「ネットから間違った性の情報を見る」14 名他であった。 【考察】特別支援学校では性教育を行っていても児の成長・発達、知的レベルの個人差、 性に関する教育の理解度や身近な教材・教具ないことが知的障がい児へ性教育を難しくし ていた。

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© 2023 山陽学園大学・山陽学園短期大学
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