農業施設
Online ISSN : 2186-0122
Print ISSN : 0388-8517
ISSN-L : 0388-8517
戻し堆肥の混合が堆肥化初期過程の一酸化二窒素(N20)排出速度に及ぼす影響
宮竹 史仁 鈴木 康浩谷 昌幸加藤 拓前田 高輝前田 武己岩渕 和則
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2012 年 43 巻 1+2 号 p. 41-48

詳細
抄録
戻し堆肥の混合が堆肥化初期過程における一酸化二窒素(N2O)の排出に及ぼす影響を明らかにするために,堆肥化試験装置を用いて乳牛ふんおよび馬ふんの堆肥化過程におけるN2O出速度を検討した。N2O出速度は,堆肥化開始時前(一次発酵前)に戻し堆肥を堆肥原料に混合することで著しく上昇した。同様に,N2O出量も顕著に増加し,戻し堆肥の無添加区と比較して乳牛ふん堆肥化では最大26倍,馬ふん堆肥化では885倍にも増加した。戻し堆肥を混合した堆肥材料では,N2Oの発生原因物質である硝酸態窒素(NO3--N)または亜硝酸態窒素(NO2--N)の高い濃度が検出され,このNO3--NまたはNO2--Nの蓄積がN2O排出速度の上昇を引き起こしたと示唆された。
著者関連情報
© 2012 (一社)学術著作権協会

This article is licensed under a Creative Commons [Attribution 4.0 International] license.
https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/
前の記事
feedback
Top