抄録
近年, 屋内でLEDを光源にした作物栽培に関する研究報告が増えてきている。LED光源は従来の栽培用照明装置に比べて, 消費電力量が少ないことや熱線を含まないため, 近接照射による光合成有効光量子束密度を増加させることができるなどの利点を有している。本研究では, 以上のような特徴を持つLED素子を補助光源として使用した場合のミニバラの花芽の発育に及ぼす影響について検討した。
その結果, 着蕾・着花した枝を剪定したミニバラに, 家庭内光源の蛍光灯にLED補助光源を用いた場合, 着蕾・着花数および新梢数において有意な差 (p<0.005) が得られ, LED補助光源は花芽および枝芽の発育に有効であることが示された。
また, 光質の影響についてみた場合は, 対照区との間に有意差は得られなかったが, LED光源を用いた場合は, 花芽等の発育が良く, 開花するまでの期間が短くなる傾向が観測され, LED光源利用の有効性が示された。