日本化粧品技術者会誌
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リンパ管の機能低下が引き起こすしわ形成メカニズムの解明とその薬剤開発
加治屋 健太朗河合 江理子岸本 治郎デトマー マイケル
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キーワード: lymphatic, VEGFC, UV, aging
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2009 年 43 巻 3 号 p. 192-196

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抄録
リンパの流れが滞るとむくみが起こることが知られている。皮膚のリンパ管の機能は,不要になった水分や老廃物の排出だけでなく,ウイルスなどの感染からの防御反応として重要な役割を果たしていると考えられてきた。一方で,皮膚の老化への関わりとその分子メカニズムについては未知であった。われわれは,皮膚老化の引き金になる紫外線によって皮膚のリンパ管が顕著に拡張し,その回収機能が低下していることを見出した。また,リンパ管の回収機能の低下は,リンパ管から回収されるべき炎症性細胞を真皮内に留めることになり,炎症状態を長引かせて弾性繊維の分解などの皮膚のダメージにつながることを示した。さらに,このリンパ管機能の低下には,表皮で産生されるリンパ管活性化因子VEGFCの発現低下が関与していることを見出した。これらより,VEGFCの発現低下がリンパ管の機能低下を引き起こしていることが示唆された。そこで,表皮でVEGFCの発現を促進する薬剤を800種以上の化合物と生薬ライブラリーのなかからスクリーニングして化合物MACCにその効果を見出した。MACCはリンパ管に働きかけて紫外線による皮膚ダメージを回復させると考えられる。
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© 2009 日本化粧品技術者会
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