日本化粧品技術者会誌
Online ISSN : 1884-4146
Print ISSN : 0387-5253
ISSN-L : 0387-5253
報文
酸化染毛剤による白髪と黒髪の染色性と毛髪金属との関連について
今井 健仁丹羽 正直川村 秀登梅村 知也木村 勝中野 隆
著者情報
ジャーナル フリー

2010 年 44 巻 3 号 p. 208-215

詳細
抄録
ヘアカラーによる染毛機構について同一人の黒髪と白髪を用いて検討した。ICP-MS により白髪と黒髪の金属量を比較すると,白髪のほうが金属量は少ない傾向を示した。これはTEM およびEDSTEM観察結果から,白髪では毛髪における主要な金属保有構造であるメラニン顆粒がほとんどないためと考えられた。さらに本研究の結果は過酸化水素の非存在下における酸化染料モノマーの毛髪への浸透速度,および過酸化水素の存在下または非存在下における直接染料の浸透速度は白髪と黒髪で変わらないことを示した。また,過酸化水素の存在下では金属含量の多い黒髪のほうがはるかに酸化染料モノマーによる染色効果が高かった。遷移金属は過酸化水素の酸化反応の触媒として作用すると考えられている。以上のことから過酸化水素の存在下における酸化染料による白髪と黒髪における染毛効果の違いは,毛髪中の金属量,すなわちメラニン顆粒の量的差に起因するものと考えられる。
著者関連情報
© 2010 日本化粧品技術者会
前の記事 次の記事
feedback
Top