抄録
荒れ肌状態にある皮膚では,皮膚表面水分量の低下,経皮水分蒸散量の増加や表皮バリア機能の低下によるドライスキンが観測され,荒れ肌は皮膚トラブルの一つである。ヒト荒れ肌モデルは,低濃度のラウリル硫酸ナトリウム (SLS) を貼付することで作製できる。ローヤルゼリーは,コラーゲン産生促進作用やメラニン合成抑制作用を有することにより皮膚機能を改善することが期待され,化粧品原料として広く利用されている。そこで本研究では,加水分解ローヤルゼリータンパク質 (HR) の荒れ肌における作用を明らかにすることを目的とし,in vitroにおいて評価を行った。HRは,SLS刺激による細胞毒性抑制作用,インターロイキン(IL)-1αおよびIL-8産生抑制作用を示した。また,SLS刺激による活性酸素種産生抑制作用や過酸化水素刺激による細胞傷害を緩和することを示した。さらにHRは細胞内カタラーゼ量やグルタチオン合成促進を示した。以上より,HRは細胞内抗酸化物質の産生を高め,抗酸化システムを増強することによりSLS刺激を緩和し,荒れ肌改善作用が期待できる素材であると考えられる。