2014 年 48 巻 4 号 p. 271-277
近年,肌に対する紫外線防御の意識は高まってきたが,毛髪は肌のようにほてりや赤みといった反応が伴わないため,紫外線に曝されやすいのが現状である。実際には日常生活でも紫外線による軽微なダメージを受けており,それが蓄積すると実感できるレベルの大きなダメージ(枝毛・切れ毛・ぱさつく・まとまらない等)を引き起こす。初期の軽微なダメージを抑制することが,大きなダメージの予防につながると考え,日常紫外線による毛髪ダメージの研究を進めてきた。本稿では紫外線による毛髪ダメージの特長とダメージの検出・定量法の確立およびダメージケアについて紹介する。