抄録
アスコルビン酸(AsA)の分子構造を変化させ, メラニン生成抑制効果に及ぼす影響について研究を行った。われわれは, AsAのエンジオールにグリセリル基を導入することで安定性を向上させたグリセリル化アスコルビン酸に着目し, 鎖長の異なるアルキル鎖を導入した種々のアルキルグリセリルアスコルビン酸の分子構造とB16細胞におけるメラニン生成抑制効果との関係について知見を得た。炭素数12以上のアルキル基を持った 2-O-alkyl-3-O-glyceryl ascorbatesにおいて, ハイドロキノンに匹敵するメラニン生成抑制効果が確認された。また, 2位と3位の置換基を入れ替えることでその活性が増強することや, 高い活性にはアルキル基のみならずグリセリル基の存在も必要であることが示唆された。