2016 年 50 巻 1 号 p. 2-7
「美しく健康的な毛髪」は多くの女性が望む理想の髪の毛である。しかし,毛髪は日常生活における様々なダメージ(ヘアカラー,パーマ,紫外線,洗髪など)や加齢によって構造や物性が変化し,毛髪の感触や美しさは損なわれていく。そのため,ヘアケアを行うにあたり,毛髪のダメージと加齢に対するケアは重要である。今回われわれは,毛髪のダメージと加齢に関する研究を行い,洗髪により毛髪からメラニンが流出すると髪の色がくすみ,美しさが損なわれること,加齢によるハリコシ低下の原因にはキューティクルに発現するケラチン関連タンパク(KAP5)が関与していることを明らかにした。本稿では上記2つの研究内容について紹介をする。