2018 年 52 巻 3 号 p. 205-209
油溶性ビタミンC(テトラヘキシルデカン酸アスコルビル;VC-IP)は,その化学構造に着目すると酸無水物に類似する構造を有することから,ダメージ毛髪中のアミノ基と反応することが予想される。毛髪中のアミノ基と反応し,ヘキシルデカン酸が毛髪と化学的に結合することでダメージ毛髪の持続的な感触改善が期待できる。そこで,本研究ではダメージ毛髪中のアミノ基に対するVC-IPの効果を検討した。まず,アミノ修飾ガラス基板を用いたin vitro試験において,VC-IPは他の油剤と比較してアミノ基との反応性に優れることを接触角測定により確認した。さらに,ダメージ毛髪にVC-IP配合のスクワラン溶液を塗布することで,毛髪キューティクル剥離の改善,毛髪撥水性の向上を確認した。本研究により,VC-IPがスキンケアにおける美白主剤としてのみならず,ダメージ毛髪の改善効果という新たな機能を有することを見出した。