2019 年 53 巻 3 号 p. 197-206
従来,皮膚の老化については主として真顔の,いわば“静的”な状態の顔の皮膚を対象とした研究が行われてきた。一方で,われわれヒトの顔は表情を表出する。その際,皮膚は位置や形が変化した“動的”な状態にあり,真顔の状態では現れていない老化の特徴が存在すると考えられる。そしてわれわれはその特徴を視覚的に検知することによってさまざまな老化の印象を受け取っている可能性がある。そこで本研究では,真顔から表情形成した際に見た目で感じる皮膚変化の特徴の種類と,その加齢変化を明らかにすることを目的として,動画像に対する目視評価試験と,画像解析法を用いた検討を行った。その結果,真顔から表情形成した際に,目視評価にて皮膚上に4種の特徴変化が抽出された。また,その中から動画像を用いて解析できる2種の特徴「高輝度(白とび)領域面積の変化」と「毛穴周辺の線状形状量の変化」を解析したところ,表情間の平均値や,表情間の変動の程度(標準偏差)が年齢とともに増加する傾向が示された。