2021 年 55 巻 1 号 p. 2-9
サンスクリーン剤に使用される有機紫外線吸収剤は,より効果的な紫外線防御を目指して光安定性,UVA防御による光老化防止,水相防御機能などの開発・改良がなされてきた。また,水にも油にも難溶な固体の有機紫外線吸収剤を微粒子状に加工し,水分散体とした紫外線吸収剤も開発され,吸収・反射・多重散乱のトリプルアクションによる紫外線防御も実現している。性能,効果に加え,近年では安全性や各国における規制への対応など,サステナビリティの観点からも幅広いニーズを満たすことが求められている。有機紫外線吸収剤に関する規制動向についても述べる。