日本化粧品技術者会誌
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α-グルカンオリゴサッカリドによる皮膚常在菌叢への影響
段 中瑞横田 真理子枝 雄二
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2021 年 55 巻 2 号 p. 176-181

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抄録

これまでの研究では,異なる菌種の腸内細菌に対するグルカンオリゴサッカリド(GOS)の選択的な生育促進と阻害作用が確認されている。その選択的な効果は皮膚常在菌叢の改善への応用も期待される。本研究では,GOSの一種であるα-GOSの皮膚常在菌叢に対する臨床作用を検証するために,α-GOS配合ゲルを2週間連用し,次世代シーケンサによるメタゲノム解析を用いて,採取する皮膚常在菌叢を分析した。その結果,皮膚常在菌叢の多様性の指標とするシンプソンインデックス(SI)が低い2名の被験者において,α-GOSの使用でSIが改善された。また,α-GOSの使用で善玉菌Staphylococcus epidermidisの存在比率の増加,日和見菌Cutibacterium acnesの存在比率が最適値への改善,および悪玉菌Staphylococcus aureusの存在比率の減少効果が示唆された。これらの結果より,α-GOSは皮膚常在菌のバランスや多様性を改善することが示唆され,皮膚常在菌叢を制御する作用が期待できる。

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