日本化粧品技術者会誌
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プロテアソーム活性とECM成分の合成の相関およびアズキエキスによる肌の弾力改善効果について
辻 礼奈羽田 容介岩野 英生澤木 茂豊
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2021 年 55 巻 2 号 p. 182-186

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抄録

プロテアソーム活性は加齢とともに低下する。プロテアソーム活性を阻害すると,正常ヒト皮膚線維芽細胞におけるコラーゲン合成,ヒアルロン酸合成酵素,エラスチンの遺伝子発現が低下することが明らかとなった。この結果は,プロテアソームが細胞外マトリックス(ECM)成分の維持に重要な役割を担っていることおよびプロテアソーム活性の低下は,加齢によるシワの増加やたるみにつながる可能性がある。さらに,私たちはアズキエキスがプロテアソーム活性を亢進することによって肌のハリを改善する効果があることを見出した。アズキエキスは,プロテアソーム活性を亢進し,正常ヒト皮膚線維芽細胞におけるコラーゲン合成とヒアルロン酸合成酵素とエラスチンの遺伝子発現促進効果を有する。また,in vivo試験において顔の弾力とハリ感覚改善の効果も有する。アズキエキスがプロテアソーム活性を亢進させることによってECM成分の合成を促進し,皮膚の弾力性改善効果があることを見出した。

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