日本化粧品技術者会誌
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水道水中の残留塩素が染色毛の退色に及ぼす影響
山田 貢也福村 藍古賀 一成山本 剛之中島 泰仁
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2025 年 59 巻 3 号 p. 149-154

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抄録

水道水中の残留塩素による毛髪へのダメージが報告されているが,染色毛の退色への影響は不明である。そこで本研究では,残留塩素が染色毛の退色に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。3色の染色毛に,残留塩素水または浄水(残留塩素を除去した水)で,シャワーのみの洗髪またはシャンプー洗髪を繰り返し,色差⊿E*の経時変化を調べた。残留塩素水,浄水ともに⊿E*は増加したが,3色すべてで残留塩素水のほうが⊿E*が大きく,残留塩素が退色の一因と考えられた。各試験条件の⊿E*の挙動より,退色に対する残留塩素の寄与度を求めると,色によっては,一般的な退色要因であるシャンプーと同程度であることが示唆された。色度図では,残留塩素とシャンプーによる退色は同じ色相変化を示し,シャンプーと同様に,残留塩素は染料の溶出を促進すると考えられた。以上から,残留塩素は染色毛の退色の一因であり,浄水による洗髪は退色を抑制する可能性が示唆された。

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