日本化粧品技術者会誌
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総説
皮膚再生II:表皮恒常性と幹細胞システム
難波 大輔
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2025 年 59 巻 4 号 p. 184-197

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抄録

ヒト表皮角化細胞の培養技術の確立と自家培養表皮移植による再生医療の成功は,ヒト表皮角化幹細胞研究の発展を大きく促した。まず,表皮角化細胞集団の中に幹細胞が存在することが実験的に示され,さらに角化幹細胞に特徴的な多様な細胞表面マーカーが同定された。加えて,表皮基底層に存在する角化幹細胞が表皮組織の恒常性をどのように維持しているかについては,研究手法の進展とともに複数のモデルが提唱され,現在も活発に議論されている。さらに,この研究分野は,自家培養表皮移植と角化幹細胞への遺伝子導入を組み合わせることで,先天性表皮疾患を対象とした遺伝子治療へと応用が進んだ。本総説では,ヒト表皮角化幹細胞研究が,幹細胞システムという概念の形成と,幹細胞による組織恒常性維持機構の解明に果たしてきた役割について概説する。

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