日本化粧品技術者会誌
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総説
イノベーティブな処方技術の確立
─心地よさとシワ改善効果をもたらす新たなαゲル乳化技術の開発─
日吉 淳也
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2025 年 59 巻 4 号 p. 177-183

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抄録

化粧品のスキンケアにおいて大切なことは,肌を健やかに保ち,心身ともに快適な生活を楽しむことである。健やかな肌の一例として,シワができにくい“柔らかい肌”があげられる。肌の柔軟性を保つために重要な成分は保湿剤と油分であり,安定に配合する乳化技術として界面活性剤と高級アルコールによって形成される自己組織体(αゲル)が長らく活用されてきた。シワを形成しにくい肌を作るためには角層の柔軟化が重要だが,そのためには保湿剤やエモリエント油分を従来の製剤よりもはるかに高配合する必要がある。その一方で使い心地や乳化の安定性が大幅に低下してしまうトレードオフの関係が存在する。本稿では乳化の骨格となるαゲルがもつ特徴,そしてこの課題を解決すべく,角層の細胞間脂質の構造にヒントを得て開発した新たなαゲルの特徴とその製剤応用について研究結果を交えて紹介する。

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