抄録
最近, 肌に優しい化粧品の開発が求められ, 微生物面からも考慮された化粧品の開発が望まれる。そのため, 化粧品の品質を保証する上で防腐剤の利用は避けがたいものではあるが, 防腐剤の可能な限りの低減化が望まれる。そこで化粧品処方全体の構成を再考してみる。その結果, 次の (1), (2), (3) の要素を総合的に構築することにより防腐剤を極力低減化した乳化系化粧品を開発する道が開かれると考えられた。即ち, (1) 非資化性原料の選択 (2) 抗微生物活性が温和な脂肪族化合物および精油の利用, それに加えて新規機能性原料の開発 (3) 防腐剤の油水分配に係わる理論の利用である。