日本化粧品技術者会誌
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31 巻, 2 号
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  • 榊 教生
    1997 年 31 巻 2 号 p. 117-123
    発行日: 1997/06/20
    公開日: 2010/08/06
    ジャーナル フリー
    マスカラ・アイライナーを直接扱った文献は数が少なく, 技術動向を把握する手段としては特許を利用した。マスカラ・アイライナーの液状タイプのものには必ずと言って良い程樹脂が含まれているが, 樹脂と各種相互作用を理解することは重要であり, それに関する実験データを紹介した。樹脂を使用する液状タイプのマスカラ・アイライナーは目の周りに使用することもあり, 防腐系の確立が重要であり, その参考としてマスカラ・アイライナーに使用できる防腐剤・殺菌剤の一覧を載せた。また特にマスカラはブラシの使用性への影響が大きいため, その方面の研究にも触れた。
  • 森田 和良
    1997 年 31 巻 2 号 p. 124-137
    発行日: 1997/06/20
    公開日: 2010/08/06
    ジャーナル フリー
    最近, 肌に優しい化粧品の開発が求められ, 微生物面からも考慮された化粧品の開発が望まれる。そのため, 化粧品の品質を保証する上で防腐剤の利用は避けがたいものではあるが, 防腐剤の可能な限りの低減化が望まれる。そこで化粧品処方全体の構成を再考してみる。その結果, 次の (1), (2), (3) の要素を総合的に構築することにより防腐剤を極力低減化した乳化系化粧品を開発する道が開かれると考えられた。即ち, (1) 非資化性原料の選択 (2) 抗微生物活性が温和な脂肪族化合物および精油の利用, それに加えて新規機能性原料の開発 (3) 防腐剤の油水分配に係わる理論の利用である。
  • 川合 修次, 森 啓
    1997 年 31 巻 2 号 p. 138-148
    発行日: 1997/06/20
    公開日: 2010/08/06
    ジャーナル フリー
    化粧品は清潔と美しさを提供する商品であり, 消費者が化粧品に抱くイメージと微生物汚染とは相容れないものである。ところが, 化粧品の微生物管理には製品の性状に由来する, 医薬品や食品とは異なった困難さを伴っている。製品製造時の微生物汚染防止には, 製品の防腐処方, 製造設備, 更に製造管理が重要な要素となる。ここでは防腐処方以外の製造面 (製造設備, 製造環境, 原材料の管理, 設備の洗浄・滅菌, 製品の菌検査など) について解説をしてみたい。
  • 南條 昌史, 中島 忠夫
    1997 年 31 巻 2 号 p. 149-157
    発行日: 1997/06/20
    公開日: 2010/08/06
    ジャーナル フリー
    宮崎県工業試験場にて開発された新規乳化技術であるSPG (Shirasu Porous Glass) 膜乳化法の化粧品への応用を検討するため, 界面活性剤の乳化に及ぼす影響などを確認した。
    SPGは, 細孔径が均一である多孔質ガラスである。SPGを装着した装置を用い, SPGにオイルを圧入透過させることにより粒子径が揃ったO/Wエマルションが得られた。乳化粒子径は, 測定条件下でSPG細孔径の約3倍となった。SPG膜乳化法を用いた実験結果から, 極めて少量の界面活性剤でも良好な乳化物が得られ, 経時においても全く合一が起こらない安定性を示すなど優れた方法であることを確認した。今後さらに研究を積み重ねることにより, 化粧品製剤への応用化の可能性があることが示唆された。
    小角X線散乱測定などにより, 通常の機械式乳化に比べて, 界面活性剤が油-水界面に均一に配向していることが推察された。
  • 荻野 和男, 大田 昌勝, 松井 順一
    1997 年 31 巻 2 号 p. 158-166
    発行日: 1997/06/20
    公開日: 2010/08/06
    ジャーナル フリー
    塩化金酸をクエン酸ナトリウムで還元すると鮮やかなルビー色の金ヒドロゾルが得られた。この金ヒドロゾルにポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 (60 E. O.) (HC 60) やモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン (20 E. O.) (PO 20) のような親水性非イオン性界面活性剤を加えると, 電解質の添加や凍結に対する安定性が, 格段に向上した。これは, 負に帯電した微粒子同士の電気的反発と界面活性剤による立体的防御の二つの効果によるものと考えられる。HC 60を含む金ヒドロゾルを配合したローションやクリームは, 太陽光暴露下で3年にわたって, 色調の変化がなく安定であった。
    また, この金ヒドロゾルと絹フィブロイン水溶液を混合, 強攪拌するとフィブロインが結晶化して赤紫色のシルクパウダーが得られた。これをTEM観察すると, 金微粒子は, フィブロイン中に均一に分散していることが確認された。このシルクパウダーの色は, 熱や光に変色せず, 水や油に滲み出ることがないなど安定性の高いものであった。
  • 細川 稔, 佐藤 美穂子, 定井 正直
    1997 年 31 巻 2 号 p. 167-175
    発行日: 1997/06/20
    公開日: 2010/08/06
    ジャーナル フリー
    ポリオール類はヘアケア製品に広く用いられているにもかかわらず, 毛髪への影響については十分に研究されていなかった。
    そこでわれわれはイソプレングリコール (IG) を用いてポリオール類の毛髪への影響について調べたところ, IGには超音波処理によって起こるキューティクルの剥離を抑制する作用や, 毛髪の溶液中での膨潤を抑制する作用があることが明らかになった。
    また, balanced fiber methodを用いて, 毛髪の曲げ特性に対するポリオール類の影響を調べたところ, ポリオール処理によって毛髪が軟らかくなった。このとき, 毛髪中の水分量は減少していた。また, DSCを用いて毛髪タンパク質に対する影響を調べたところ, ポリオール処理および毛髪水分量の増加によりα-ヘリックスの変性温度が低温側に移動した。これらの結果よりポリオール類は水と同じ様な挙動を示していることが示唆された。
  • 見城 勝, 大倉 さゆり, 百田 等, 根岸 修治
    1997 年 31 巻 2 号 p. 176-182
    発行日: 1997/06/20
    公開日: 2010/08/06
    ジャーナル フリー
    著者らは簡便性, 迅速性と成分定量性を併せ持つ皮脂分析法としてAL-ATR法の開発を検討した。本法は, アルミホイルで皮脂を採取し, ATR-FTIR法による測定で得られたスペクトルをPLS法を応用したプログラムで解析することにより, 皮脂の主要成分であるトリグリセライド, 遊離脂肪酸, スクアレン, ワックスエステルを定量する方法である。この方法の妥当性を検討したところ, 以下の結果が得られた。 (1) ATR-FTIR法の検量線は直線性を示し, 再現性も良好であった。 (2) 本法での定量値をGC法と比較したところ有意な相関が認められた。 (3) 皮脂採取方法としてアルミホイルと濾紙を比較したところ, 採取される成分の組成はほぼ同等であった。
    本法は皮脂採取から定量まで約5分と短時間であり, かつ皮脂の約95%を占める上記の4成分の皮脂組成を概算することが可能であり, 簡便性, 迅速性と皮脂組成分析の両方を兼ね備えた分析法といえる。
  • 池山 豊, 田村 あき江
    1997 年 31 巻 2 号 p. 183-189
    発行日: 1997/06/20
    公開日: 2010/08/06
    ジャーナル フリー
    DEMATEL法は事象を有向データでとらえ階層的に表現する手法の1つであり, 組織の問題点の発見から商品の設計まで幅広い活用が可能である。化粧品品質の構造化を目的として, スキンケア関連の肌なやみ項目に対する個々の経験的知見の表出と, 口紅の品質評価項目の重要度分析を本法を用いて行った。前者では社内開発スタッフ間のコミュニケーションの円滑化に, また後者では顧客のニーズ分類に有用な結果を得ることができ, 化粧品の開発プロセスでの本法の有用性が確認できた。
  • Masatoshi Itoh, Masashi Fujii
    1997 年 31 巻 2 号 p. 201-208
    発行日: 1997/06/20
    公開日: 2010/08/06
    ジャーナル フリー
    The problem of epicutaneous sensory irritation in relation to safety of external preparations requires attention because cosmetic materials such as phenoxyethanol and parabens induce epicutaneous sensory irritation. In order to investigate the cause of epicutaneous sensory imitative materials, chemical mediators such as histamine, prostaglandin-E1, -E2 and F and serotonin (5-hydroxytryptamine) and bradykinin with concentration of 0.003mol were applied on human cheek sites for only 5 minutes, and then washed off. At the same time, progress of the inflammatory reaction induced by the above chemical mediators was observed by using a device measuring skin temperature by infrared rays. According to the results, we report the relationship between epicutaneous sensory irritation and inflammatory reaction, caused by external use of chemical mediators.
  • 堀内 哲嗣郎
    1997 年 31 巻 2 号 p. 209-213
    発行日: 1997/06/20
    公開日: 2010/08/06
    ジャーナル フリー
  • 1997 年 31 巻 2 号 p. A4-A5
    発行日: 1997/06/20
    公開日: 2010/08/06
    ジャーナル フリー
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