抄録
消費者や繊維関係者は, 布の性能を手で主観的に評価してきた。一方で布の物理的特性は客観的に測定することができる。ここでは, 主観的な性能評価法と客観的な評価法の関係を調べるために, 風合いや肌触りにかかわる4種類の性能評価方法を紹介する。まず代表的なのは布の風合いの客観評価方法である。この方法は, 現在新しい布の設計や生産工程での品質管理に応用されている。次に, 皮膚に布が水分によってはりつく特性をシミュレーションし, 布の快適性評価へ応用するための評価方法を述べる。また化粧用スポンジで頬をこすったときに感じるなめらかさをあらわす特性値を紹介する。最後に, 繊維の性質が繊維集合体である, わたの圧縮特性に及ぼす影響について述べる。