日本化粧品技術者会誌
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超音波Bモード法による顔面部皮下組織量の年代別変化
佐藤 真由美森 忍野尻 浩吉塚 直伸武馬 吉則
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2004 年 38 巻 4 号 p. 292-298

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抄録

美容上重要な要素である顔面形状に与える加齢および体型の影響を検討した。すなわち, 超音波Bモード法を用い, 年代による顔面部局所の皮下組織厚を測定し, 年齢および, 体型の指標としてBody Mass Index (BMI) との関係を解析した。健常な日本人女性10代から70代まで各年代14名ずつの計98名を被験者とし, 前額部, 眼窩部, 頬部, 下顎部の4ヵ所を超音波Bモードで測定した。その結果, 顔面の皮下組織厚は概ね体型 (BMI) に強く影響されてしまうが, 眼窩部では年代が高くなるほど統計的に有意に厚くなった。逆に, 前額部では, 有意性は認められなかったが加齢に伴い皮下組織が薄くなる傾向があった。さらに被験者から「痩身体型群」「肥満体型群」を抽出して重回帰分析したところ, 前額部と眼窩部の皮下組織厚の増減は「痩身体型群」では年齢が, 「肥満体型群」ではBMIが影響しているものと考えられた。以上から, 顔面部皮下組織厚は概して体型に依存するが, 眼窩部皮膚は加齢に伴って肥厚し「痩身体型群」で顕著であった。

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