抄録
迅速かつ簡便にチロシナーゼ活性の阻害剤をスクリーニングする方法として, フローインジェクション分析法の利用を検討した。5.0×10-3mol/Lのドーパ水溶液および5.0×10-2mol/Lのリン酸緩衝溶液を一定の流速で流路に流した。阻害剤を含むチロシナーゼ溶液は緩衝溶液側の流路に注入され, 反応コイルを通って検出器に導かれる。検出波長は475nmとした。測定の結果, フローシグナルのピーク強度は, 酵素活性単位1 unit/mL-10 units/mLの範囲で良い直線性 (相関係数0.992) を示した。また1検体あたり5min以内の測定が可能であった。本法においては, β-アルブチン, L-アスコルビン酸, コーヒー酸は強い阻害作用を示すことがわかった。