抄録
一般に物質は与えられた環境(温度,圧力,磁場等)のもとである平衡状態にあるが,これらの環境が変化すると,もとの平衡状態が不安定化し,新しい安定な平衡状態に向かって状態が変化することがある.このような変化は一般に相転移と呼ばれる.特に2成分合金の相転移現象には相分離と秩序・無秩序転移という2つの相転移現象が存在するが本論文では秩序・無秩序転移に着目し,熱揺らぎや不純物の影響を外乱として捉え,秩序・無秩序転移の確率偏微分方程式によるモデル化を行い,熱揺らぎ等の不規則外乱の秩序・無秩序転移における影響をシミュレーションを通して考察する.