抄録
CGアニメーションの中でもダンス映像をよりリアルで質の高いものにするため、ダンスらしさを表現する動作を解明する。今回は現代的リズムダンスのひとつであるストリートダンスに着目してストリートダンスらしさを明らかにした。ストリートダンスは音楽にあわせて身体を揺するダンスであり、「ノリ」感覚が重要である。初心者と上級者の動きを比べると、上級者はビートの前後で動きに時間的な変化(加速・減速・遅延)をつけること、体幹運動(手足を動かすのではなく、身体の中心部を動かして手足を連動させる)をすること、が特徴的であった。そこで、CGキャラクタでこれらの動きを表現し、「ノッている」感覚を評価する実験を行った。結果、加速・減速運動と体幹運動は「ノリ」感覚に影響があること、この影響度は音楽のビートの強さによって異なってくること、などが確かめられた。