抄録
4WS(4輪操舵)車両とは車両運動特性を全車速域で理想の特性に保つために,前輪だけでなく,後輪も操舵可能にした車両であり,特に旋回と横方向移動を独立に達成することが可能である.近年行われている4WS車両の研究の多くは,後輪の舵角をコントローラを用いて定めているので,旋回と横方向移動に関する操縦者の意図を車両運動に直接的に反映させることが困難となっている.そこで,本研究では,操作入力を1つ増やし,さらに非干渉化制御を行うことで操縦者の意図を直接的に車両運動に反映させる手法を提案する.そして,その操縦支援の有効性を検証するための準備として実験用車両を用いてこの非干渉化制御に関する有効性の検証を行う.