抄録
協力ゲームでは,各プレイヤーは提携に参加するかしないかのどちらかであると仮定している.これに対して,参加しないプレイヤーを反対者と中立者に区別して定義されるゲームは双協力ゲームと呼ばれる.双協力ゲームにおける貢献度に基づく力関係の評価を与える概念として,擬バンザフ値はすべての提携が等確率で生じる場合の貢献度の期待値として定義される.本研究では,各プレイヤーの擬バンザフ値を全体合理性をみたすように正規化した概念として,正規化擬バンザフ値を提案する.正規化擬バンザフ値の合理性を示すために公理系を与える.